入門・技術
ちょい投げ入門 — 20m先の砂の上に何がいるか
軽い仕掛けを少し投げて、ゆっくり引いてくるだけ。キス・ハゼ・カレイ・カサゴと、相手が季節で入れ替わる。
最終確認 2026-08-13
ちょい投げは、天秤とオモリの付いた2本針の仕掛けを20〜30mほど投げ、底を引いてくる釣りである。本格的な投げ釣りのように100m先を狙う必要は無い。魚は思っているよりずっと近くにいて、砂浜なら波打ち際から数十メートル、漁港なら船道の駆け上がりに集まっている。仕掛けは市販のセットで足り、竿も2.4mほどのコンパクトロッドで十分。荷物が少なく、家族で行きやすい釣りでもある。
投げる前に後ろを見る
この釣りで唯一はっきり危険なのが、キャスト時の事故である。オモリは10〜15号(40〜55g程度)あり、人に当たれば重傷になる。振りかぶる前に必ず後方を目視する。人が近い場所や堤防の上では、頭上を通さない下手投げ(アンダースロー)にする。子どもに投げさせる時は、必ず横に立ち、周囲に人がいないことを大人が確認してから。
餌と誘い
餌はジャリメ(イシゴカイ)かアオイソメ。針に通し刺しにして、尾を1〜2cm垂らす。長く垂らすと食いはよくなるが、餌だけ取られる回数も増える。投げたら糸を張り、竿先をゆっくり動かして仕掛けを50cmほど引き、そこで5〜10秒止める。この「引いて止める」の繰り返しが誘いになる。止めている時に食ってくることが多いので、止めた瞬間に竿先から目を離さない。
どこへ投げるか
砂浜は一見どこも同じに見えるが、波の立ち方をしばらく眺めると、波が崩れずに通る筋(深く掘れた場所)が見えてくる。魚はそこに沿って回っている。漁港なら、船が出入りする船道の縁と、堤防の先端付近の底が変化している場所。要は「平らな砂の中にある段差」を探す釣りで、これが分かってくると釣果が安定する。同じ方向にばかり投げず、扇状に角度を変えて探ると、その段差の位置が早く分かる。
季節で相手が変わる
- 夏から秋の砂浜: シロギス。数が釣れて、天ぷらにすればまず外れない。
- 秋の河口: マハゼ。足元でも釣れるので、子どもと行くならここ。
- 冬から春の堤防: マコガレイ。じっくり置いて待つ釣りになる。
- 堤防の際・敷石: カサゴ。仕掛けを落として底を小突くだけでも掛かる。
根掛かりとの付き合い方
底を引く釣りである以上、根掛かりは必ず起きる。まずは竿をあおらず、糸の角度を変えて(左右に歩いて)引いてみる。それでも外れなければ、竿を立てずに糸をまっすぐ張り、手にタオルを巻いて引いて切る。竿で無理に引くと折れる。切れた仕掛けを海に残すのは避けられない場面もあるが、回収できる糸は必ず回収し、切った糸は必ず持ち帰る。海に浮いた糸は鳥に絡む。
外道も多い。ゴンズイには毒棘があり、フグは歯でハリスを切る。どちらも素手で掴まないこと。針を外しにくい魚は、ハリスごと切って新しい針に替えるほうが早く、安全でもある。
本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではない。規則は自治体・漁協ごとに異なり、改定される。出漁先の最新の規則を必ず確認すること。
餌・仕掛け・装備
- コンパクトロッド 2.4m(万能)ちょい投げ・探り釣りの入門竿。仕舞50cm前後で電車釣行にも向き、子どもでも振れる。 2,500〜6,000円
- スピニングリール 1000〜2000番ちょい投げ・穴釣り・小物用の小型。軽いので子どもの手でも扱える。 2,500〜8,000円
- ナイロンライン 2号ちょい投げ・ウキ釣りの標準。伸びがあるので急な引きを吸収し、結び方が多少雑でも切れにくい。 600〜2,000円
- ちょい投げ仕掛けセット(天秤+2本針)天秤・オモリ・針がひとまとめのパック。結ぶのは道糸との1か所だけで済む。 300〜900円
- ジャリメ(イシゴカイ)アオイソメより細く、シロギス・ハゼの小さな口に合う。 500〜1,200円
- 水汲みバケツ(ロープ付き)手やコマセを流し、魚を活かすのに要る。堤防を汚さずに帰るための道具でもある。 800〜2,500円
- プライヤー(針外し)毒魚や歯の鋭い魚から手を守る必須品。素手で針を外そうとして刺されるのが最も多い事故。 800〜4,000円
- クーラーボックス 15〜20L魚を冷やして持ち帰る。氷は多めに。夏場は保冷力の低い箱だと持ち帰りに向かない。 4,000〜25,000円
- ライフジャケット(桜マーク・大人用)最優先で買うべき装備。堤防でも磯でも船でも着る。船釣りでは国土交通省型式承認品(桜マーク)が求められる。 5,000〜20,000円
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